Kioku

記憶の記録

やがて巡る

小学3年生と4年生はクラス替えがなく同じ顔ぶれだった。

その中にリーダー格の男子がいた。
いつも高圧的な態度でその人のいう事は絶対。
みんな奴のいう事に従っていた。
しかし奴は母親の事をいつも「ママ~!」と呼んでいた。
「男のくせにママって…マザコンか?馬鹿じゃね。」
私はいつも心の中でバカにしていた。
ある日の事。
その時の記憶は断片的にしか覚えてないけど
授業前でクラス全員が席についていて先生が来るのを待っていた。
私は前日に何かをしてしまった罰として奴からクラス全員が見ている前で奴から公開処刑を受けた。
私が前日に一体何をしてしまったのか、今となってはさっぱり覚えていないのだが奴から見て気に食わなかった事をやらかしたのは確か。
公開処刑とはクラス全員が見ている教室の前方にある黒板の前でスカートをめくられたのだ。
それを見ていた一部の女子達は見てられなかったらしく「キャッ」と悲鳴を上げて手で顔を覆った子もいた。
やられた瞬間、私はすぐ教室を抜け出し廊下に有った手洗場で悔しくて泣いた顔を何度も洗った。
この屈辱は一生忘れないだろう。
この事は親や先生にも言えなかった。
言った事がバレたら奴に何されるか分からないから。
奴の将来の夢は医者になる事だった。
いくら小学生とは言えそんな酷い事を平気でする人が人の命を預かる医者になんてなれる筈が無い。
数年前、ふと奴の名前を思い出し、某SNSで名前の検索をしたら奴のプロフがヒットした。
プロフ写真を見たが今でも意地悪そうな顔をしていた。
現在何やっているか見たら何と医者では無く看護師をしているらしい。
結局医者にはなれなかったんだ。
ざまぁみろ。とこの時心の中で笑った。